それにしても、日本では、「差別」を表す言葉や、その実態を「隠して」「ないことにする」という風潮が強すぎると思う。本当は、みんな違ってみんないいの個性なのに、その「違って」を隠して、みんな同じであるかのように振る舞うから、なんだかヘンなことになる。
ぼくが子どもの頃、白木みのるさんという俳優さんがいて、『てなもんや三度笠』などに出演されてたいへん存在感があった。白木みのるさんは、背が低かった。しかし、それも素敵な個性であった。ところが、ある時期から、日本のテレビでは背が低い人を見なくなってしまった。
映画『オースティン・パワーズ』で、ドクター・イーヴィルの片割れ、「ミニ・ミー」を演じているヴァーン・トロイヤーさんは、身長が81センチだそうである。イギリスのBBCは、Life's Too Shortというコメディを放送していて、主演のWarwick Davisは107センチ
身長が「典型的」な数値より低い方は、日常生活の中でいろいろご不便もあるかもしれないが、それはひとつの個性であって、「ミニ・ミー」やLife's Too Shortでは、その個性を活かした演技をしている。日本のテレビのように身長が非典型的な人は存在しないかのように扱うのはおかしい。
ぼくは一太郎の頃からATOKを愛用していて、すばらしい日本語変換エンジンだと思うが、ある時期から「こびと」と打っても「小人」と変換されなくなった(今Google日本語入力で打ったら、変換された)。余計な規制だと思う。個性を尊重するのではなく無いことにする日本の風潮を私は批判する。
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