1966年のビートルズ来日公演の際には、ぼくは3歳だった。今や教科書にも載っているビートルズ。しかし、当時は不良視されていた。「古典」になった楽曲は、この宇宙に誕生したばかりの元素のようにピカピカと光っていた。その来日公演の武道館にかけつけた人たちは、本当に伝説である。
人間は、自分たちが経験したことがない新しい何かに出会うと、とにかくもう興奮してしまって、黄色い声で叫んでしまったり、飛び跳ねたり、時には失神してしまうものだろう。1966年のビートルズ来日公演の音声を聞くと、観客の叫び声がもう胸に迫ってしまって、それだけのことだったのだとわかる。』