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イブニングメッセージ

f:id:barussnn127:20150902164458j:imageニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからメッセージ『エンブレムの件は、撤回で、振り出しに戻った。私は招致エンブレムがいいと思う。ところで、「一般国民」には理解できないといった発言を見るにつれ、ますます強い印象を持つのが、日本の「エスタブリッシュメント」の世間からの「ずれ」である。
さまざまな方にお会いした時に、ツイッターフェイスブックなどのインターネットのあれこれを空気のように吸っている方と、そうでない方の間には、感覚において明らかな「ずれ」があるように感じる。今回の組織委員会の発言などを聞いていると、後者なんだなあとつくづく感じる。
ネットでは、賛同から反対まで、称賛から非難まで、ありとあらゆるスペクトラムの「意見」が寄せられる。たとえば、私は昨日イルカ漁について発言したが、それについて、ありとあらゆる反応が来るということは、何しろ毎日のことなので、「空気」のようにわかっている。その上での発言である。
今回の一連の騒動は、有名クリエーターや組織委員会、選考委員といった日本の「エスタブリッシュメント」と、いわゆる「ネット民」の間の齟齬に基づくと見ることもできる。そして、「ネット民」のみなさんがどのような感覚でいるか、空気のようにそのあり方を感じているかどうかが、分かれ目だと思う。
ネットは、ある意味では過酷な場所で、ネット民は、容赦ない。権威や、肩書、賞などは、ネット民にとっては関係ない。何らかの不正や模倣があったら、あっという間に暴かれてしまう。そのようなことを前提にものを考えて、行動し、発言しているかどうか。それが「現代」である。
インターネットをつかっていても、以上のような現代の空気に触れられるとは限らない。メールや検索を使うだけでは、以上のようなネット民の雰囲気はわからない。私のように、自分のツイッターアカウントで直接感じる必要は必ずしもない。傍観者としていろいろな書き込みを見ているだけでもわかる。
おそらく、「ネット民」の共通感覚のようなものがあるとするならば、ちゃんとエネルギーを使って、全身全霊、オリジナルなものを創った人には、称賛を惜しまないということだ。作品に込められた情熱の総量が大切なのである。権威や組織に頼って楽して得た名声は、あっという間に打ち消される。
今の日本には、以上のようなネットの過酷な空気と無関係に、水たまりのようにすいすいぬくぬく泳げるエスタブリッシュメントたちの楽園がまだあるのかもしれないが、五輪のような注目される場でそれをやると、おそらく悲惨な結果になる。そのことがわかっていることが、「現代」の感覚だろう。
「ネット民」の行動の全てが良いわけではない。匿名で、事実無根の批判、誹謗をする人もいるし、偏見や自己欺瞞に満ちた人たちもいる。それもコミコミで、ネットという言論空間の生理を知っているかどうかが、現代を生きる上で必要な素養だと思う。日本のエスタブリッシュメントには、それがない。』