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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20150621074619j:imageニコ・ロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『
いろいろ思い出す。脈絡がないのでふしぎだ。昨日も、新小岩駅からの町並みを歩いているとき、とつぜん、そういえば、子どもの頃、「安保反対、肌色賛成!」というコマーシャルがあったなあ、ということを思い出した。
なんか、カーニバルみたいなお祭で、みんな色とりどりの服を着ていて、肌を露出していて、それで、「安保、反対、肌色、賛成」みたいなリズムで練り歩くんじゃなかったか。小学校低学年の頃だったと思うから、きっと、1970年の安保闘争の最中か、その後あたりだったんじゃないかと思う。
なんか、懐かしくなったので、ぐぐってみたら、どうやら違うようだ。実際にあったのは、「暴力反対、肌色賛成」というコマーシャルで、安保ではなかったようだ。なぜ、そう思ってしまったのかというと、当時、ニュース映像で、「安保反対!」というのをよくやっていて、ごっちゃになったのだろう。
「暴力反対、肌色賛成!」というのも十分にコピーとして力があるけど、よりすんなり、インパクトがあるのは、「安保反対、肌色賛成」の方で、そうした方が当時の世相にも合うし、カーニバルみたいに踊っているのを、安保反対のデモ行進のパロディだと思うと、すべてが収まる、ということなのだろう。
要するに、「安保反対、肌色賛成!」というコマーシャルだと記憶した方が、さまざまなことがすっきり収まるから、脳が、無意識のうちに記憶を編集してしまっていたらしい。それで、新小岩の街を歩きながら、『哀愁の街に霧が降るのだ』の「克美荘」はどこにあるのかなと思いながら、突然思い出した。
不思議なのは、「安保反対、肌色賛成!」という編集された偽の記憶が、思い出したときに、鮮明な確信とともに蘇ってきたことで、私の中では、1970年だったか、そのあたりにテレビに流れたCMは、完全に「安保反対、肌色賛成!」になってしまっている。記憶は編集されて、過去のリアリティを創る。
ところで、「安保反対、肌色賛成!」じゃなかった、「暴力反対、肌色賛成!」をつくったCMクリエーターは、勇気あるというか、イケていると思うし、それをつくったスポンサー、放送したテレビ局、みんなイケているなあと思う。今の日本にそういうクリエーター、スポンサー、テレビ局はいるかあるか。』