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いきなりメッセージ❗️

茂木健一郎さんからのメッセージ❗️『飛行機に乗るとたのしみは寄席を聞くことで、JALでも、ANAでも、とにかく乗っている間はずっと「寄席」のチャンネルを聞いている(寝落ちしてまた目覚めて聞いてまた寝てということも多いけれども)。先日、どっちか忘れてしまったが、落語の「掛取万歳」をやっていた。

「掛取万歳」は、大晦日の日に、家賃やら魚代やら、一年のさまざまな代金の支払いを求めにやってくるところが、狂歌をよんだり芝居のまねをしたり、相手に合わせていろいろやってごまかしてしまう、という筋。とてもよくできた落語なのだけれども、「掛け売り」という風習がまた興味深い。

江戸時代に、三井高利の「越後屋」が、「現金掛値なし」の商売を始めるまでは、商品の代金は大晦日に決済するのが習慣だったという。現代からは想像しにくいが、そもそも、「通貨」がそれほどふんだんに流通していなかったという事情もあるのではないかと推測する。

逆に、現代は、一円単位まで、厳密にその場で決済するという思想が支配しすぎていて、ギクシャクしている側面もあるのではないかと思う。実際には、私たちの生活の中で、すべて一円単位でやりとりを清算する必要はないわけで、そこを外してグレーゾーンにした方がうまくいくこともあるはずだ。

今年、バンクーバーで行われたTEDに参加した時、カナダはいつからか1セントだか5セントを廃止して、値段の端数は切り上げか切り下げすることに決まったんだと聞いて驚いた。先日CoCo壱のカレーを食べたら、レジに一円玉が山盛りになっていて、足りない人はこれを使ってくださいとあった。

「一円単位」まで、決済をきちんとして取引するという習慣は、決して唯一のものでも普遍的なものでもないと思う。たとえば、生活困窮者に対する食品の提供などは、(よく議論される形式的な賞味期限の切れた弁当の扱いなども含めて)もっと柔軟に考えていいのではないかと思う。』