ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『
人生は、経験が積み上がってくると、それなりにスキルも上がるし、知識も増えるから、環境に適応できるようになる。その一方で、過去の連続の上で、これから、未来を見る、という慣性の法則も、また、強まってくる。
特に警戒すべきは、「習慣」である。今までこうやってきたから、これまでのやり方はこうだからと、昨日までのやり方を、今日もまた、続けようとする傾向が強くなる。そうなると、進歩というものがなくなってしまう。
大切なことの一つは、時には過去を断絶して見ることである。まるで、今日この世界に生まれたような新鮮な目で、すべてを見てみる。そして、今までとは違ったやり方、順番で、さまざまなことをしてみる。すると、新しい視点が開かれることも多い。
特に、夢や希望においては、過去を断ち切ることは大切である。今までダメだったから、うまく行かなかったから、これからもダメだろう、うまくいかないだろうと思い込んでいると、夢や希望の勢いが失われてしまうし、十分にふくらまなくなってしまう。
過去の一切を忘れて、今、この瞬間に生まれたと想像してみるというエキササイズは、限定された効果しか持たない。どんなに新しいことをしようとしても、結局、今までの積み重ねが身体運動を支えている。しかし、だからこそ、時には、人生をリフレシュするこの試みをやってみる価値がある。』