昨日は、NHK交響楽団関連のお仕事でした。オーケストラの方々が、出番の前に、裏でいろいろされている様子を見るのが、私はほんとうに好きで、その空気感の中につつまれて、ああ、幸せだなあ、と思っていました。
一番上の、安い席からは、N響の方々が、ほんとうに、井戸を覗くように向こう側に見えて、それでも、音はホールだから回ってそんなに変わらないはずだ、と思い込ませつつ、一階の平土間の高い席に座っている方々を羨ましいなあ、と思う、そんな学生時代でした。
当時、私の親友の塩谷賢(おしらさま、哲学者、でぶ塩)もN響定期によく通っていて、時には彼と鉢合わせしました。たまには、示し合わせて一緒に行ったこともあったように思います。
確か、N響定期のいちばん安い席は自由席で、私と塩谷は思い思いの席に座って、ゆったりとくつろぎながら、屈指のオーケストラの奏でるすばらしい音に耳を傾けていました。それは、至福の時間でした。
N響定期がはけると、我々は、雑踏のある渋谷ではなく、原宿方面に向かって夜風を受けて歩いていくのが好きでした。そして、表参道あたりで、安いカフェに入って、ビールを呑んだり、ワインを呑んだりして、感想を語り合ったりしました。
昨日、NHKホールのバックステージで、N響の方々が思い思いに準備をされているのを見ながら、そんな、学生時代の記憶が走馬灯のようにめぐり、なんだかとても幸せな気持ちになりました。しかし、考えてみると、楽団員の方もずいぶんと入れ替わっていらっしゃるのでしょうね。。。』