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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20160226070717j:imageニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『TEDは、NHKの『スーパープレゼンテーション』でも紹介され、その、開始1秒から無駄にしない、本質をずばりと貫く、といったスタイルは日本でもTEDxなどで徐々に浸透してきているように思う。さらに会場にいないとわからないことがある。

それは、TEDの聴衆がトークの内容を判断するときの、容赦なさである。それほどでもなかったら、拍手で終わり。良かったら、何%かがスタンディング。ほんとうに良かったら、満場のスタンディング・オベーション。付き合いじゃなく、一人ひとりが判断した結果、そういう現象になる。

思想の自由市場としてのTEDは、機能し続けていると思う。今回も、「共和党の価値観は、そんなに悪く無いと思うよ。だって、自由市場、大事だし」という内容を、それなりにうまく話したスピーカーがいたが、反応は微妙だった。ロケットスタートのトークをするのは、難しい。

ところで、日本の会議、特に、地方自治体の首長さんや、議員さんが出ていらっしゃるようなセレモニーなどに時々参加させていただくことがあるが、「思想の自由市場」という意識は、全くないと思う。その度に、非常にかなしくなる。

たとえば、ある団体が何周年を迎えたとか、表彰するとか、そういう時には、たいていの場合、そこにある有力者(首長や、議員さん)がいらして、出席している、ということが価値のすべてであって、そこでかわされる言葉や、発せられる思想には、誰も関心を払っていない。

典型的なのは、その場にいらっしゃる議員さんなどの「ご来賓」がひとりひとり紹介されて、その度に、その方が、大声で「おめでとうございます」などと叫んで、会場が拍手する、という光景。そういうことが、5分も10分も続く。

日本は、現代社会、人類の文明を先導する思想やアイデアを、真剣に自由市場で鍛えなくても、なんとかやっていける(やっていけてきた)国なのだろう。「来賓」の方々が儀礼的な挨拶をするという形式は、考えてみれば小学校の頃からずっとそうで、この国に根付いた一つの「様式」なんだろうと思う。

TEDの、あの、1秒も無駄にしない容赦無い自由市場と、日本のセレモニーの、そこに誰が出席していたかをお互いに確認しあって終わり、という無内容は、きわめて対照的である。これでこの国の将来はだいじょうぶかと、私はたいへん憂うものである。』