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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20150814092524j:imageニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからメッセージ『東京オリンピック2020のエンブレムについて
きわめて個人的な感想になるが、私は、佐野研二郎氏の「東京オリンピック2020」のエンブレムのデザインが、全く理解できない。その理由をこれから述べる。
エンブレムのポイントは、一目見て強烈に印象づけられ、それが長く記憶に残ることである。1964年の東京オリンピックのエンブレムはその点素晴らしかった。招致のために使われた花をアレンジしたデザインも素晴らしかった。ところが、今回「決定」したエンブレムは、全く印象に残らぬ。
東京オリンピック2020のエンブレムの説明を聞いて、唖然とした点がひとつある。このデザインの「要素」を組み合わせて、さまざまな字体を「展開」するのだという。いかにも、頭で考えた理屈だが、私たちがそれで強烈な印象を受けるかというと、それは話は別だ。
そもそも、線や、円や、共通の要素があったとしても、それで例えば「文字」を表現したとして、そのデザインとしての「クオリア」はひとつひとつ違う。配列には、それだけ繊細なニュアンスがある。たった一つの配列を、「これが東京オリンピッククオリアだ」と記憶したいのが脳というものだ。
東京オリンピック2020年のエンブレムを、ある「フォント」を構成するモティーフだとしても、評価できない。フォントは、もっと繊細な字の表情に依存するものだからだ。ある少数の要素を組み合わせることで印象的なフォントをつくれると考えているとしたら、人間の認知を根本的に誤解している。
東京オリンピック2020年のエンブレムの最終審査は、ウェブを通して公開しての一般投票を取り入れるべきだった。そうすれば、他のデザインとの「類似」の可能性も事前にチェックできた。専門家は頭や理屈で考えがちだが、一般の人はパッションで考える。今回のデザインにはパッションを感じない。