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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20150801094618j:imageニコ・ロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『
明治神宮の森の、普遍的な価値は世界遺産の審査委員に説明しやすいだろう。世界で有数の大都会の中に、人工的につくられた森がある。森は、うっそうと茂っていて、生物多様性を見せて、オオタカも繁殖している。明治神宮の森は、自然と人間の関係を考える上において、世界遺産の価値がある。
そんなことを考えていたら、今朝、暗渠となっている渋谷川を移動するというニュースがあった。それで、もうひとつ夢を見た。かつて、「春の小川」にうたわれた渋谷川の景観を、ほんの一部だけでも、取り戻すことはできないのだろうか。
「春の小川は、さらさら行くよ。
岸のすみれや、れんげの花に、
すがたやさしく、色うつくしく
咲けよ咲けよと、ささやきながら。」
ぼくが習った「春の小川」の歌詞はこうだ。もし、かつての渋谷川のこんな景観が大都会の片隅に再現されたら、どんなに素晴らしいことだろう。
今や暗渠となっている渋谷川そのものを地上に上げることは難しいかもしれない。では、むしろ発想を変えて、人工的な流れをつくったらどうか。100メートルでもいい。なだらかな土から水辺に草が生え、清流にメダカが泳ぎ、夏にはほたるが飛ぶ、そんな「春の小川」をゼロからつくったらどうか。
水も人工的に提供するから、治水の心配をする必要はない。最も下流には、取水口を設けて、水を回収する。さらに、水深を浅めにして(めだかが泳げる程度)、小さな子が遊んでも安心なようにする。そんな「春の小川」を、ゼロから、人工的につくるのである。
もはや鉄やコンクリート、ガラスで建物をつくることだけが「建築家」ではないのではないか。ランドスケープビオトープを、ゼロから人工的につくることも、立派な「建築家」である。ただ、使う素材が土や水や空であり、生きものの生命力が完成のタッチを加えるというだけの話だ。
「春の小川」がかつてあったところは、明治神宮からほど近い。人工的な「春の小川」を再現して、それが何年か経って、景観がなじみ、人々の心に息づいたときに、「明治神宮の森」と「春の小川」がいっしょに世界遺産に登録される。そんな夢を今朝は見た。国家プロジェクトにするにふさわしい。』