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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20150531070942p:imageニコ・ロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『
あれっ、と思って見直すと、広い駐車場に、車が一台も止まっていない。それで、まずは寂寥感を抱いて、閉まったのかな、と思い、近づいて、いや、やっぱりやっている、と安心したのだった。

買い物を済ませて、外に出てきたら、駐車場には自転車が1台、車が2台止まっていて、さらにもう1台入ってくるところだった。いつものにぎわいが戻っていた。さっきの無人風景は、ほんとうに偶然に、そういう時間帯ができた、ということだったのだろう。

いつも人や車がたくさん行き交っている都心が無人になった風景を撮った写真集が確かあったのではないか。そういう瞬間に偶然遭遇すると、ドキッとする。何かあったのか、人類が滅びたのかと思う。やがて、いつものにぎわいが戻ってくると、やっとホッとするのである。

なぜ、無人コンビニに心を打たれたのかと言えば、人生にもそういう瞬間があるなと連想されたからである。学生の頃など、特に、誰も連絡してこなくて、何も用事がなくって、自分が世界の中でひとりぼっちになったような、そんな気分になる瞬間があったのだった。

自分が世界と没交渉で放っておかれている、という感覚には人を慌てさせるものがあって、これはまずい、と思うんだけども、やがて友達から連絡が来たり、会合があったりして、だいじょうぶだった、一人ではなかったと世界に戻っていく。寂寥感は、たまたまのことであった、と気づくのである。

無人コンビニやひとりぼっちにかぎらず、この世のさまざまな事象は揺らいでいて、その統計的な組み合わせで、たまたまある状態になることがあって、そのようなときにやたらと慌てずに、まて、時間が経つと様子が変わるだろうと思って待っていると、実際に様子が変わる。人生の季節はめぐるのだ。』