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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20150519071253j:imageニコ・ロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『
いることがある。年齢が137億年の宇宙に比べたら、人間なんてちっぽけだ。空には恒星がたくさんあって、私たちの太陽はその一つでしかない。そういうことは、まあ、そうだと思う。

それで、中学校の時とか、天文部の人たちと話していて、そういう、宇宙に比べたら人間なんてなあ、みたいな話になって、それはそうなんだけど、いつも空とか星のことを考えてばかりいるのも、いかがなものか、という感じもした。

宇宙は広いとか、星は無限だとか、そういう話ばかりしているとなんだかなあ、となるのはどうしてなんだろう。論理的にはそのとおりのはずなのに。それで思い出すのが、物理学者のアーサー・エディントンの逸話だ。

アーサー・エディントンは、水素からヘリウムができる際に放出されるエネルギーで恒星は輝いているのだ、というモデルを考えた。それで、ハネムーンの時に、妻と砂浜を歩きながら、「あの太陽がなぜ輝いているかを知っているのは、ぼくだけなんだ」みたいなことを言ったらしい。

エディントンが、太陽が輝いている理由を知っている、というのはいいとして、それを妻とのハネムーンの時に言うのはどうなんだ、ということなんだろう。素敵ではあるが、同時にどこか滑稽である。これは、天文部の「星の王子さま」にも通じる何かだろう。

結局、地上の取るに足らないような雑多なことも、宇宙の一部なのだから、宇宙といって、その広大さや大きな数や悠久の歴史にだけ言及することは、一種の焦点の偏りということなのだろう。確かに、人事は宇宙に比べれば些細である。しかし、その人事も宇宙の一部分であることも事実なのである。

「なぜ、ハネムーンの時に太陽が輝いている理由を話してはいけないのか」。これは、すべての理系男子、夢想家、天文部の部員が心の中で一度は整理しておくべき課題なのだろう』