2014-12-18 朝からメッセージ‼️ エッセイ ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎からのメッセージの『グレン・グールドは、なぜ、コンサートでピアノを弾くことをやめてしまったのだろうか。何とはなしに、わかる気がする。聴衆は、音楽家にとって、命である。しかし、それは同時に、阻害要因でもある。ホールを満杯にした聴衆の存在によって、音楽が変質するのだ。ウラディミール・ホロヴィッツなどは、最後まで、聴衆の存在をたのしんだ人かなと思う。若い頃の超絶技巧が衰えた晩年も、聴衆は彼のピアノに熱狂した。ピアニストも、演奏を終え、満場の拍手を受けているときに、心から満足したような、そんな表情をしていた。ホロヴィッツの道は、多くのピアニストにとっての一つの夢だろうけれども、グールドはまた別の道を示した。聴衆の物理的存在を前提にしない音楽つくり。スタジオに籠もって、自己に沈潜し、井戸を深く降りていく。だからこそ、あの奇跡のような「ゴルトベルク変奏曲」が生まれた。』