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ナイターメッセージ

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ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ

『  

「軍歌」については、それが取り上げられる文脈によっては、現代社会の価値観にそぐわないかもしれないが、川柳川柳師匠の新作落語「ガーコン」で取り上げられる軍歌は、まったく意味が違う。まだ聞いたことがない方は、ぜひ聞いてみて欲しい。

私が川柳川柳師匠の「ガーコン」を初めて寄席で聞いたのはまだ学生の頃だけれども、とにかく衝撃を受けた。日本の軍歌を、次から次へとがなりたてる。戦局が良いときは明るくて、戦局が思わしくなくなると暗くなる。それが、戦後、日本の音楽シーンががらりと変わって・・・

三遊亭円生師匠の弟子だった川柳川柳師匠は、さまざまなことがあって「破門」されてしまって、三遊亭さん生から「川柳川柳」に芸名を変えるが、そのような生き方からもわかる自由な発想、独創性が、「ガーコン」という、新作落語の傑作に結実した。

「軍歌」を次から次へとがなり立てても、それが、「ガーコン」の文脈に当てはめられると、決して、戦時中の軍国主義的な価値観の肯定ではなく、むしろ人間の自由や平和への讃歌になる。文脈とはそのようなもので、全体として判断しなければ、仕方がない。

日本の地上波テレビを始めとする「メジャー」な文化は、社会的に論争的なもの、差別、偏見などを、文脈を通してポップな笑いやエンターティンメントにする、という経験値が低いように感じる。だから、時々、稚拙な取扱をして、炎上してしまうのだろう。文脈リテラシーが求められている。』