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朝からメッセージ

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ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『  

才能よりも、「成功」に関係が深いということで注目されている心理指標、「グリッド」(grit、やりぬく力、とでも言うべきか)だが、そのブームの仕掛け人、というか立役者であるダックワースさんの原論文を読むと、いろいろ面白い。

人格要素のビッグ・ファイヴの一つである「誠実性」(conscientiousness)が成功に寄与することは想像できるが、それよりも、「グリット」の方が関連性が高い、ということを、統計的に明らかにしているのである。

グリットにかぎらず、心理指標は、いくつかの質問項目があって、その回答によって評価が決まる。グリットの場合、「あなたは何か新しく興味を持つことがあると、それまでやっていたことをやめることがありますか」みたいな質問があって、それにイエスと答えると、グリットが低下する設計になっている。

実は、ここがポイントという気がする。一つのことをやり抜くグリットはもちろん大切だが、新しいことに興味を持ってマイブームになる好奇心も同様に重要である。現指標では、グリットと好奇心の間にはトレードオフがある設計になっているが、本当は、両立するのが良いのではないか。

ダックワースさんの原論文には、年齢が高くなるとグリットも高くなるというデータがある。若いときは好奇心にかられていろいろ試すが、年を重ねるにつれてよく言えば自分の道がわかる、悪く言えば他のことに興味がなくなるということだと思う。

グリットのような統計指標は、つまりはビッグデータの集積だから、個々人の生き方の具体的な機微とは違うのだけれども、個人的には、好奇心にかられていろいろ寄り道しながらも、なおも執念深く(笑)本筋をあきらめないで追求する、という生き方が一番良いような気がする。

つまり、「好奇心にかられていろいろ寄り道しながらも、なおも執念深く(笑)本筋をあきらめないで追求する」という心理指標があるべきだと思うのだが、合わせ技で複雑だし、一人ひとりが実践するしかないのではないか。というわけで、「気が散りつつしつこくやる」分散型グリットをおすすめします。』