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朝からメッセージ

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ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『

昨日、ディジュリドゥ奏者で、交通事故のあとは、高次脳機能障害と向き合いながら画家としての活動をされているGOMAさんとお話した。GOMAさんとお目にかかるのは、ひさしぶり。ゆっくり、たっぷりお話することができた。

ディジュリドゥは、オーストラリアのアボリジニの伝統的な、世界最古とされる楽器で、木の中をシロアリが食べたあとが、自然の楽器になる。GOMAさんは、アボリジニではない人としてコンテストで初めて準優勝され、その後活躍されていて、事故にあわれた。

脳のふしぎなところは、引き算が足し算になることもあることで、GOMAさんは高次脳機能障害に向き合いながら、突然、絵を描き始めた。最初は、娘さんの使っていた絵の具を手にとって、時間の経つのも忘れて描いたという。

絵を描き始めると、時間の経つのを忘れて、朝まで描くこともあったのだという。描く風景は、点と光が印象的な、内的なイメージ。GOMAさんによると、意識がなくなって、戻ってくる時に見えてくるイメージが、そのようなものなのだという。

テレビの収録だったが(放送予定などは、後日お伝えします)、GOMAさんと、人間の脳のふしぎ、心のふしぎ、何かを表現することに向き合うことのふしぎについて、たっぷりと話し合うことができたのは、とても素敵な時間であった。

そんな中、GOMAさんが今一番関心があるのが、意識の謎だということに、心を打たれた。事故にあって、意識を失い、戻ってきたとき、自分の身体がぬいぐるみのように感じられ、ずっと何かが残っているのだという。GOMAさんのアートは、そのような感覚の表現でもある。

生きていると、いろいろなことがあるが、この世に生を受けて、意識を持ち、その中で時間が経過している、ということの不思議さに比べたら、他のさまざまなことは消えていく。GOMAさんがその地点に達していることは、なにか、ほんとうのことのような気がして、とても素敵な夕暮れ時だった。』