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朝からメッセージ

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ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『

国家主義がいろいろなところで流行っているようだが、人類の歴史の中では、せいぜい、一時的な気の迷い、脇道にすぎないと私は考える。なぜならば、そこには、愚かさはあっても賢さはなく、無知はあっても叡智はないからだ。

世界の趨勢は、実は、相互の関係性、依存性が深まっていくプロセスであり、このことは、交通網、流通、インターネット、そして地球規模の課題の台頭によって必然化している。国家主義は、そのような動きに対する「反動」にすぎない。

そもそも、「国家主義」は、エゴイズムに他ならない。うちの国家は世界一、と思って気持ちよがっていても、他の国から見たら知ったことではない。国家主義は、人類普遍の思想には成り得ない。つまり、知的なマイレッジが短い。必要な叡智も浅い。

国家主義は、弱いひとたちを惹きつける。本来、グローバル化の中、自分たちの能力を活かし、他者の異質性を尊重し、広々としたネットワークの中で組み合わせの創造性を模索すればいいのに、怖れ、不安がり、閉じこもろうとする。国家主義は、その本質において「地下室の手記」だ。

どの国にも、国家主義に惹きつけられるひとたちは一定の割合いるのであって、一方で開明的で叡智的な人たちもいて、そのバランスでその国の発展力が決まる。後者の割合が高い国は発展し、前者の割合が高い国は没落する。

つまり、国家主義は、国のことを思っているようでいて、実は国の発展を妨げる認知バイアスになるのであって、だからこそ、本当に国のことを大切に思っている人たちは、決して国家主義を振り回さない。世界に開かなければ、国自体が発展しないと知っているからだ。

以上の国家主義の脆弱さ、反知性的本質については、地球上、開明的な人々によってあまねく共有されている「常識」だと思うが、今朝は、敢えて、ベーシック中のベーシックを再確認するために、拙文を綴ってみた次第である。』