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朝からメッセージ

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ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『  

モハメド・アリさんが亡くなってから、英語系のメディアの中ではたいへんな量の記事や回顧が行われていて、それだけ大きな存在だったのだな、と改めて思う。

アリさんとアントニオ猪木さんの「世紀の対戦」は、ぼくが中学生の時で、確か、土曜の午後初めの方で、学校が終わってから、家に全力疾走で帰って、試合開始になんとか間に合ったように記憶する。あれは興奮したなあ。

モハメド・アリさんが生きていらした時、特に現役時代の記憶があるけれども、試合前にはビッグマウスでいろいろ言ったり、また、徴兵拒否のことがあったりして、論争を呼ぶ人物だった。賛否両論で、アンチも多かった。

だけど、亡くなってみると、その姿がくっきりと浮かんでくるというか、生涯を通して貫いたもの、のようなことが見えてきて、やっぱり、忘れられない人というか、偉人だったのだな、ということが納得される。

人間は、亡くなって初めてかたちのはっきりした人間になるのであって、生きている人間は、人間になりつつあるある種の動物だと看破したのは小林秀雄だった。モハメド・アリさんのことを考えると、納得がいく。

モハメド・アリさんだけではない。マイケル・ジャクソンさんも、プリンスさんも、生きていらっしゃる時にはいろいろ言われたし、ネガティヴな報道も多かったけれども、亡くなった今は、すっきりとした、ある鮮明なイメージがある。

結局、その時々の世間とあつれきがあっても、また、賛否両論、アンチやネガティヴがあっても、ある生き方を貫くことが、小林秀雄の言う、「人間」になる道なのだと思う。』