ニコ・ロビンインドメタシンブログ!!

エッセイいろいろな内容のブログ

朝からメッセージ

ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『f:id:barussnn127:20160107072708p:image北朝鮮の水爆実験について
北朝鮮による水爆実験「成功」の発表だが、規模から水爆ではないという分析がある。おそらく、実際に水爆実験をしたが、1次の核分裂による原爆による起爆は起こっても、2次の水爆の核融合は起こせなかったが、メンツを保つために「成功」と発表したのではないか。
水爆を保有している国(米、ロシア、中国、英国、フランス)は、国連の常任理事国と一致する。「核の平和」は、ゲーム理論的に言えば「相互確証破壊」(MAD, mutually assured destruction)によって保たれてきた。
相互確証破壊」では、一方が攻撃すれば他方も攻撃することにより、両者が壊滅する。だから、そのようなことにならないように、お互いに攻撃を抑制する。そのことで、平和が保たれるというのが、核の抑止力が生まれる、というロジックである。
相互確証破壊」が平和をもたされるためには、核兵器保有の両者が合理的にふるまうことを前提にならなければならない。北朝鮮の核開発が懸念されるのは、核の拡散という視点に加えて、かの国が合理的にふるまう国とはみなされていないという事情もある。
「何をやるかわからない」国が、核兵器を持つことは、相互確証破壊の合理的行動の前提が崩れることである。だから、国際社会は、北朝鮮の核開発を非難する。一方、北朝鮮も、「何をやるかわからない」というイメージを、外交交渉上有利に使う。いわゆる瀬戸際外交である。
北朝鮮の体制が、曲がりなりにも保たれている間は、「何をするかわからない」国であるとは言いながら、それなりのコントロールが保たれると期待されるかもしれない。もし、将来、国の体制が揺らぐような状況があると、核の偶発的使用のリスクが高まる。
北朝鮮にかぎらず、戦後の核の抑止力の前提になっていた理性的なプレイヤーが相互確証破壊の下に向き合うという構図が、緩みつつあるように感じる。仮に、理性的なプレイヤーとは言えないテロリスト集団が核を手にすれば、実際の使用のリスクが高まる。
中長期的に見れば、核兵器は、五大国を含めて、廃絶の方向に向かうことが、人類社会全体の利益に叶う。しかし、北朝鮮核兵器の開発の断念を迫るのが難しいのと同じように、既得権益者である五大国に核兵器を削減させることも難しい。
広島や長崎の惨禍を経てもなお、人類は核兵器を持ち続けている。そのことを、戦略的に正当化する言論もある。私はそこに人類の根源的愚かさと、主権国家というシステムの脆弱性を見るが、私のような立場はリアル・ポリティックスでは少数派どころか、異端だろう。』