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いきなりメッセージ

ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『f:id:barussnn127:20160106122843j:image
宇宙人から見れば同じ
最近のニュースを見ていて目立つのは、全体から見ると距離が近いと思われる人たちの間に、かえって仲たがいや対立が起こるという現象である。いわゆる近親憎悪、ということなのかもしれないが、このメカニズムは何なのだろう?
以前、フランス人とベルギー人が仲違いするRien à déclarerという映画を見た。名探偵ポアロはよくフランス人と間違えられて憤慨するが、この映画では国境を挟んで、両国の人が本当につかみ合いの喧嘩をせんばかりに嫌悪しあっている。見て驚いた。
遠くから見ると、認知地図的に近い者と思われる人たちがかえって激しく仲違いするというのは普遍的な現象で、アジアでも、欧州でも、中東でも、アフリカでも、どこでも起こる。家族や親戚の中でも起こりうるというのは、周知の通り。
遠くから見ると近いんだから、仲良くすればいいと思うのだが、対立の構造に巻き込まれている本人たちは気づかない。その結果起こる紛争は、遠い者同士の争いよりも激しくなることすらある。
AとA’は近いのに、お互いに’のあるなしの違いが気になって対立する。それならば、隣に遠いXや∑、あるいはいっそのこと「木」や「タ」を持ってくると、AとA’はお互いに実は近い、ということに気づくのだろうか。
仲違いする地球人が、宇宙人の襲来によって団結するというのはよくあるプロットである。世界各地に見られる近親憎悪の構図を見るたびに、宇宙人から見れば同じようなものだぞ、と言いたくなるけれども、そういう声は夢中になっている人には届きにくい。』