ニコロビンプレゼンツ
茂木健一郎さんからのメッセージ『Jobsは、
iPhoneにはstylusは不用で、指を使えばいい、と言った。対して、今回発表された
iPad Proは、
Apple pencilを使う。
iPhoneは単独でポケットやバッグに入れて持ち歩くのに対して、
iPad Proはサイズから言っても、机上で使うことが多いだろう。
Stylusで画面を操作するスタイルは、なつかしいNewton (1993-1998)でもすでにあったが、当時は、画面の解像度や、反応の速さ、なめらかさなどで、とても使いにくいものだった。
iPad ProでStylusが復活したのは、画面、計算速度の向上と無縁ではない。
全く同じ技術でも、単純に解像度や計算速度が上がるだけで、全く違った操作感になることがある。ここに、人間の認知の基本的性質がある。私たちは、同じプロセスが異なる特徴時間で実行される時、両者を質的に違ったものとして体験するのである。
単純な計算速度の向上が、本質的な
アルゴリズムの改善なしに、質的な向上につながるという経験則は、将棋ソフトから
iPad Proまで、普遍的に成り立つ経験則だと思う。
ムーアの法則は経験の質の向上に直結するのである。』