ぼくが見てきたニュースの中で、アウン・サン・スー・チーさんはずっと自宅で軟禁されていて、こういう変化が起こるとは思えない時代が続いていた。憲法の規定で、息子さんが外国籍のアウン・サン・スー・チーさんは大統領にはなれないようだが、ご活躍をお祈りしたい。
ところで、ミャンマーの人口は約5000万人ということで、こういうニュースを見ると、つい、「自分がその5000万分の1だったら」と考えてしまう。アウン・サン・スー・チーさんは、お父さんが建国の父アウンサンだし、やはり特別な人だ。普通の人だったら、どうするか。どう生きるか。
2年前、ぼくは、ヤンゴンの街を、ほんの少しだけ歩いたけれども、経済発展著しい、まさに「普請中」の雰囲気だった。あの国に生まれ、あの街で暮らしていたら、どのように気を使い、将来を図り、生きていくのだろうかと思う。
今、東京国立博物館では兵馬俑展が行われているけれども、始皇帝はたった一人なのであって、秦の多くの人たちにとって、それぞれの生活の苦労があっただけだろう。兵馬俑をつくった職人さんにせよ、工事をした人にせよ、懸命に生きたというだけのことだろう。