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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20151109070128j:imageニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『

ミャンマーの総選挙で、アウン・サン・スー・チーさんが率いる野党の国民民主連盟(NLD)が優勢ということで、良かったと思う。これで、あの国の民主化が進めばいいと、心から思う。
ぼくが見てきたニュースの中で、アウン・サン・スー・チーさんはずっと自宅で軟禁されていて、こういう変化が起こるとは思えない時代が続いていた。憲法の規定で、息子さんが外国籍アウン・サン・スー・チーさんは大統領にはなれないようだが、ご活躍をお祈りしたい。
ところで、ミャンマーの人口は約5000万人ということで、こういうニュースを見ると、つい、「自分がその5000万分の1だったら」と考えてしまう。アウン・サン・スー・チーさんは、お父さんが建国の父アウンサンだし、やはり特別な人だ。普通の人だったら、どうするか。どう生きるか。
2年前、ぼくは、ヤンゴンの街を、ほんの少しだけ歩いたけれども、経済発展著しい、まさに「普請中」の雰囲気だった。あの国に生まれ、あの街で暮らしていたら、どのように気を使い、将来を図り、生きていくのだろうかと思う。
今、東京国立博物館では兵馬俑展が行われているけれども、始皇帝はたった一人なのであって、秦の多くの人たちにとって、それぞれの生活の苦労があっただけだろう。兵馬俑をつくった職人さんにせよ、工事をした人にせよ、懸命に生きたというだけのことだろう。
兵馬俑のみごとな造型や、その夥しい数は見る者を圧倒するけれども、その時に、始皇帝という一人の人間の特別なドラマを思うよりは、その時代の限定の中で、懸命に生きた無数の無名の人々の生活を思う。兵馬俑のかたちは、その人たちが懸命に生きたことの何らかの反映である。
坂本龍馬は好きだが、戦国武将が特別の存在として出てくるドラマに、今ひとつ感情移入できないのは、その時代の無数の人々の生活はそこにはないと思うからだろう。歴史ではアナール学派の取り組みがあるが、ニュースやドラマは依然として事大主義に傾く嫌いがあるように思う。』