ニコ・ロビンインドメタシンブログ!!

エッセイいろいろな内容のブログ

いきなりメッセージ

ニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『
f:id:barussnn127:20151107123428j:image実際に、大竹伸朗さんが杉ちゃんの持っていた紙コップを蹴ったのは、2006年11月6日にこと。誰もその出来事を予想していなかったし、「あっ!」と思った瞬間には終わっていた。でも、その奇跡のような出来事は、その場にいた人たちの心に鮮明な映像として残る。
人生で一回だけの出来事は、誰もカメラを回していないし、映像編集もされていない。ところが、私たちの脳は、視覚だけでなく聴覚や触覚や嗅覚や体性感覚やありとあらゆるデータを総動員して、その時の出来事を記録する。
脳の中に刻まれた一回性のできごとは、脳の記憶の回路の中で、徐々に、ゆっくりと育って、その鮮明さは、振り返る機会が多いほど、私たちの中で植物のように育っていく。記録されていないからこその、成長の自由度もある。
一回性の出来事が感情や記憶の回路を刺激し、活性化して育っていった結果出来上がったものは、ひょっとするともともとの出来事の物理的な再現ではないかもしれない。しかし、だからこそ、その「思い出」は私たちにとってかけがえのないものになる。
一回性の出来事を育てるには、それを思い出すしかない。二度と戻ってこないその時間をしのび、全身全霊を持って思い出すしかない。すると、その繰り返さない人生の時間は、私たちの中で育ち始める。思い出すことが、水になり、太陽になり、滋養になって育つ』