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いきなりメッセージ

f:id:barussnn127:20151009122606j:imageニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『
そうしたら、先日、映画『あえかなる部屋』を見ていたら、その豊島の美術館が出てきて、「あ〜見ちまった!」と思った。実際に見る前に、映画で見てしまった。確かに、素敵そうだった。いつか、実際に見てみたい。
それで、以前に発電所美術館であった内藤礼さんの展覧会のことを思い出した。これも、ぼくは会期中に行けなかったのだった。私の弟子の野澤真一が見てきて、すごく良かったと言っていた。ぼくは見ていないので、想像するしかないのである。
『脳と仮想』で扱ったのは、まさにこの問題であった。サンタクロースとは、仮想するものであって、目の前のでっぷりと太った赤い服を着たおじさんではないのである。だとすれば、発電所美術館も、豊島も、見ていない私の仮想の中にある内藤礼さんの作品の中にこそ、何らかの真実があることになる。
赤毛のアン』で、ほんもののダイヤモンドを見たアン・シャーリーががっかりする話がある。彼女の仮想の中のダイヤモンドとは違っていたのである。ピクニックでアイスクリームをつくるのだと、マリアに向かって大騒ぎするシーンもある。仮想の中のダイヤモンドやアイスクリームは素敵だ。
人間、実際に体験できるものは限られているから、仮想の豊かさに眼を留めておくと、たのしい人生を送ることができる。スイスのお花畑や、アフリカの大平原の動物たちは、ぼくにとってまだ仮想でしかない。いつか現実になるかもしれないが、ずっと仮想のままかもしれない。