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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20151003062658j:imageニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『ログイン

茂木 健一郎
5分前 · 
つかの間のともしび
昨日、東京駅の八重洲口近くの街を歩いていたら、小さな路地の向こうから、白と黒のまだらの猫が一匹、歩いてきた。こんなところに、と思った。飼われている猫かもしれないし、あるいは、野良さんかもしれない。
その猫を見た瞬間、「あっ」と思った。都会の中で暮らす猫。ごはんはそのあたりのものを食べているのかもしれないし、車に気をつけないとあぶない。いずれにせよ、命がいつ危険な目にあうかわからないな、と思った。それから、生命というのは、「つかの間」のことだと強く感じた。
地球上に生命が誕生して以来、進化を続けるその道筋で、命についてはっきり言えることは、それが、ぽっと一瞬ともった灯火のようなもので、いつ消えるかわからないし、かろうじて続いて、それが次の世代に灯されて、また消えていく、というリレーだったということである。
八重洲口の裏通りを歩く猫と同じように、人間の命もまた、つかの間のともしびのようなもので、その時間は止めようもなく、どんどん過ぎていってしまう。
そんなことを考えながら八重洲口に向かった。信号待ちをしている人たちがいた。少し強い日差しをまぶしげに見上げている人もいる。自分を含め、そこにいる人はみな、限られた時間に命の火を燃やす存在だ。100年後には皆消えている。その頃には、別の人たちがともしびになっているだろう。』