プレゼンツ茂木健一郎さんからメッセージ『先日、小林よしのりさんとお話させていただいた。作品が前から好きで、『東大一直線』、『おぼっちゃまくん』から始まり、『戦争論』からのシリーズもほぼ全て読ませていただいている。このように書くと、意外に思う人もいるようなのだが、すべては「表現」だと思うのである。
私が小林よしのりさんの作品を愛読していると驚く人がいるのは、思想や方向性が違うと思っているからだろう。必ずしもすべてが一致するわけではもちろんないけれども、小林さんの表現の角度、スタンスには好感を持っている。自分をきちんと露出して、「ゴーマン」かますというその自己意識である。
結局、どのようなことを考え、感じているかは人それぞれだけれども、本質的なのは「表現」の仕方なのだと思う。表現に現れる、自己へのメタ認知、他者への視線、世界への向き合い方、世界の引受け方、言葉の選択、そのようなもの全てが相まって、結果として一つの印象が形成される。