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朝からメッセージ

f:id:barussnn127:20150514064323j:imageニコロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ『
がきれいな季節である。ところで、葉っぱが緑に見えるということは、その波長の光が反射されているということであって、光合成に使われているのは他の波長である。つまり、植物にとって「要らない」ものが、「緑」の光だということになる。

私たちは「緑」を植物の本質だと考えがちだが、実際には「緑」は植物には要らないものである。そんなことを考えていたら、表現というものも、そういう側面があるなと思いいたった。

表現は、普通は内面にあるその人の思い、感情をそのままストレートに出すものだと思いがちである。ならば、表現されたものを見ると、その人がわかることになる。一方で、表現には、「毒出し」(デトックス)のような側面もあり、その場合には、出されたものはその人にとって「要らない」ものなのだ。

表現者は、表現することで「毒出し」して救われるということがあるのだと思う。小説などでも、自分自身の内面にあるいろいろとやっかいなこと、面倒なことが、表現することですっきりして、救われる。読者の中にもそれに呼応する何かがあるから、読んで、魂が救済される。それが傑作となる。

愛や喜びを素直に表現したものが、案外つまらなくて、心に刺さるトラウマに向き合った作品が忘れがたく永遠の生命を得ることがあるのは、つまりはそれが生命を健やかにする、「毒出し」の行為であるから。そんなことが確かにあると、植物が自分たちに必要ない緑の光を反射しているのを見ながら考えた。』