しかも、三村智保九段と、万波奈穂三段による「大盤解説」があるという。事ここに至って、私は「ひええ」となった。自分の打っている囲碁が、大盤解説されるなんて、そんな恥ずかしいことに、耐えられるものか、と思った。
私は、囲碁は、小学校のときに覚えて打って、その頃はよくNHKの囲碁の時間の講座や、NHK杯の早打ち囲碁選手権を見ていた。武宮正樹さんの宇宙流が好きだったのは、子どもだったからだろう。それからほとんど「人」とは打っていなくて、最近「最強の囲碁」でコンピュータ相手に打つ程度だ。
そんな自分の囲碁が大盤解説されるというのは、読みとかいろいろダメなのを覗かれるようで、非常にはずかしいと思った。でも、始まったら仕方がない。稲葉禄子さんが立ち会い人で、ぱっぱっと、びっくりする正確さで時計を押していく。ぼくの方が長考気味で、堀義人さんよりも早く時間を使った。
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