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朝からメッセージ

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ニコ・ロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからのメッセージ❗️『ぼくの意見はおそらく少数派だけど、ここに記しておく。教科書検定というのが、以前から全く理解できない。世界には、そんな制度がない国はいくらでもある。では、そのような国の教育の質が低いのかと言えば、逆のようだ。検定が、教育の質を確保するための制度とは思えない。別の目的があるのだろう。

それでも、もし、ぼくが教科書を検定するのであれば、こんな検定をする。領土問題だが、政府の見解は、通説的見解と必ずしも一致しないこと。領土問題が、主権国家という制度に内在した脆弱性で、世界のあらゆる国の組み合わせに領土紛争があることを記させる。アメリカとカナダの間にさえあるのだ。

領土紛争というものが、当事国がお互いに事実を自分の都合のいいように解釈する、一種の認知的失敗であることを記させ、似たような認知現象を記述させる。友達どうしの喧嘩や、裁判での争いなど、事実が相対的なものに過ぎず、見方が変わればまったく違う風景が見えることを子どもたちに気づかせる

日本が科学技術立国を目指すのであれば、現行の小中学校の理科、算数(数学)の教科書は、不十分である。まず、アインシュタインゲーデルといった人名や、量子力学相対性理論不完全性定理といった概念を、小学校の教科書から登場させる。内容が理解できなくてもいい。好奇心が刺激されればいい。

集合論も、「帽子をかぶってメガネをかけていない人は何人でしょう」といった有限集合論トリビアルな(とるに足らない)愚問を解かせるのではなく、集合論は無限を扱って初めて意味があること、連続体仮説のような論争があったことを、小学校の高学年くらいで、やさしく教科書に書く。

英語は、学年ごとの習得単語数の目安のような意味のない制限を撤廃する。最初から、わかってもわからなくても、読むべき、内容のあるテクストを読ませる(どうせ昔の論語史記素読だって、わからなくても読んでいるうちに、慣れてきたのだ)。Miss Greenがどうのとかいう駄文はやめる。

教科書を「検定」した結果、薄っぺらい、無味乾燥な、好奇心を刺激しない、つまりは日本の子どもたちの脳を元気にしない紙っぺらができているのだとすれば、これほど日本の国益を損なうことはない。知は無限だという感覚をできるだけ早くもたせること。四角い部屋の中の小さく前にならえではないのだ。

こういうことを書いても、初等中等教育の「標準化」や「品質保証」をあれこれ言っている先生方にはおそらく通じないことは、わかっている。しかし、そういう日本の教育のちまちました雰囲気が、日本のイノベーションや経済成長の妨げになっていることに、そろそろ気づくべきだろう。』