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朝からメッセージ

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ニコ・ロビンプレゼンツ茂木健一郎さんからメッセージ❗️『
Fifty Shades of Greyはバカにされるだけ価値が出るのだろう

2、3年前か、英語圏の空港に行くと、Fifty Shades of Greyという小説が山積みにされていた。シリーズ三部作で、全世界で一億冊売れているのだという。うぶな女子大生が大富豪と恋に陥るという話だが、その愛し方がまあ、「普通」じゃないのである。それが、最近、映画化された。

Fifty Shades of Greyの日本語訳は、文化的に受け入れられなかったのか、あまりブームにならなかったが、英語圏では、小説につづいて映画も話題になっている。心やさしい日本人はあまり批評をしないけど、向こうは容赦ないから、案の定、ヒドすぎる批評の山である。

原作については、「1.5頁だけ読んで海に捨てた」「文学以前のクズ」などと言われてしまうし、映画についても、「一番興奮したのは彼女が焼いたトーストを彼が食べたときだった」とか、「静かなシーンで、映画館の後ろで誰かが飲み物をこぼした瞬間が一番良かった」などと酷評されている始末。

しかし、私は思うのだが、誰もがその作品をバカにしたがる、という存在は、そんなに悪くない。ぼくはFifty Shades of Greyをおそらく見ないけど、多くの人が、それを見ずにはいられない、ばかにせざるを得ない、という作品は、それなりのステータスを得たと言ってよいだろう。

Love to hateという言葉もあるように、バカにしたくなる、ということは、つまり、それだけ関心を持っているということで、それよりも悲しいのは、見向きもされず、興味も惹かれないというステータスだろう。これは、表現をする人ならば、よくわかる話のはずだ。

Fifty Shades of Greyは、みんながバカにしたくなる作品、という栄えある地位を得たわけで、作者におめでとうと言いたい。原作はもともと、電子書籍自費出版から始まったそうだから、作者のE. L. James (女性)は、自分の背中を叩いてあげていいと思う。

ところで、「みんながバカにして、拒否する」存在でいちばんすごかったのはキリストで、聖書にもHe was despised and rejectedとある。ヘンデルが『メサイア』で感動的な音楽にしている。Fifty Shades of Greyはバカにされるだけ価値が出るのだろう。』