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朝からメッセージ❗️

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ニコロビン
プレゼンツ茂木健一郎さんからメッセージ❗️『
大相撲の土俵における「ほんもの」

大相撲が、ブームになっていて、国技館は連日「満員御礼」のようである。遠藤や逸ノ城といった新たなスターが登場し、また、白鵬が伝説の横綱としての存在感を見せつけ、個性と個性がぶつかる、迫力の土俵が、お客さんをわかせている。

お客さんの反応は、本当に素直だと思う。正面からぶつかって、土俵際で残して、必死の形相で回り込んで勝つ相撲は、(あるいは負けた場合にも)大きな喝采を浴びるし、逆に勝ったとしても、立ち合いで変化してはたき落としたような場合は、正々堂々と受けろと、不満の怒号が飛んだりする。

大相撲の観客は、関取衆や親方衆と比較すれば、もちろん素人である。立ち合いにおける技術的なことが、すべてわかるわけではない。しかし、取り組みにおいて、力士がどれくらい真剣に、全力で向き合っているかということは、なぜかわかってしまうのだ。だから、ごまかしが効かない。土俵は、こわい。

どんな分野であれ、専門家は、その道に長く取り組んでいるのだから、いろいろなことが素人よりは深くわかっているはずであるが、ある仕事がどのようなクオリティのものであるかは、かえって、素人の方が見抜いてしまうところがある。大相撲の土俵は、まさに、そのような現場なのかもしれぬ。

どんな分野であれ、専門家が心すべきことは、素人が感動するような、そんな作品をつくることなのだろう。小説も、書いている方は専門家だが、読むのは素人だ。映画も、音楽も、同じこと。逆に言えば、専門知識や経験がなくても伝わることこそが、「ほんもの」だと言えるのかもしれない。