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大晦日メッセージ‼️

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ニコ・ロビンプレゼンツ茂木健一郎さんから大晦日メッセージ‼️『
映画における文化と文明

ぼくが学生だった頃、映画には二種類あった。一つはハリウッド映画の超大作で、もう一つはヨーロッパを中心とする芸術映画。後者を代表しているのは、たとえばタルコフスキーとか。それで、ちょっと気が利いた若者は、基本的に前者をバカにしていて、後者を愛好していたものである。

今でも、芸術映画的なものはあるが、最近は、ハリウッド映画が本当によくなった。最近の収穫で言えば、『Her』とか、『Interstellar』とか。アカデミー賞がダサイ、というのが私が学生の頃の共通認識だったが、最近は、アカデミー賞もなかなかいいじゃないかという雰囲気になっている。

ハリウッドの、資本と人を投入した映画が、結局一人勝ちになっている背景には、映画が、「文化」から「文明」へと変化したという大きな潮流があると思う。文化は手作りだが、文明は物量作戦だ。最近のハリウッド映画の、エンドクレジッットの長さからも、そのような変化がうかがえる。

学生の頃、ベルイマンだとか、ヴィスコンティだとか、タルコフスキーとかを夢中になって見ていて、宣伝攻勢しているハリウッド映画を、「けっ」と見ていた頃の自分は文化に魅了されていたと思うが、最近、ハリウッド映画を、「いいじゃん」と見ている自分は、どちらかと言えば文明に魅了されている。

逆に、文化的アプローチでは扱えない事象が(人工知能とか、宇宙への進出とか、ポストヒューマンとか)、人類の最大の関心事になってきた、ということなのだと思う。『2001年宇宙の旅』あたりから、すでにわかっている人にはわかっていることだったのだろう。

ハリウッド映画の見直しは、商業主義だけじゃないという認識とも関連している。Rotten Tomatoesのような批評もきちんと機能していて、商業的に成功した作品と、批評的に評価される作品は別である。批評がちゃんと機能しているから、作る側にも緊張感のようなものが生まれてくる。

結局、もともとあった優位に、ITや宇宙といった、文明の力が加わって、ハリウッド映画の一人勝ち状態は、当分続きそうである。手描きアニメという「文化」と、『アナと雪の女王』のようなCGアニメという「文明」の関係についても、様々な感想を抱かざるを得ない。いずれにせよ、いい映画を観たいね